結婚披露宴など、人前のスピーチが怖くなくなる方法

スピーチが苦手という人がいます。

人前で右や左に視線を配り、ジェスチャーたっぷり、笑顔で当意即妙のアドリブを繰り出すのが生きがいです、なんてことを言う人は100人に1人も居ないと私は思います。
人前にたたされて話をするのが好きだ、と言うだけでも相当な変わり者だと、私は思います。

私も例に漏れず、人前でのスピーチなど、ものすごく苦手です。
なまじアナウンサーと言う仕事をしているだけに「気の利いたことを言って笑わせてくれるんじゃないか、ためになる教訓のひとつも聴かせてもらえるんじゃないか」と、そこまで期待されている訳もないのですが、頑張ろうとすればするほど上がってしくじりまくってきました。

まあ人様よりもしくじり体験が豊富な分、しくじりのショックが少なくなった、というのが強みと言えば強みかも知れません。とはいえ、いまだに人前で話せと言われると、冷や汗が流れ始めます。

 

今は亡き、直木賞作家で超人気作家の丸谷才一さんは、人望が厚く友人知人後輩の結婚披露宴の媒酌人としてのあいさつや来賓としての祝辞、スピーチの依頼が相次いだそうです。
実は酷いあがり症で人前で話すのが超苦手だった丸谷さんは優しいお人柄で「せっかく指名されたのだから断るわけにもいかないだろう」とお受けになったのだと言います。

人前で、当意即妙のアドリブで、とはいかないと思った丸谷さん、あいさつは全てご自分で文章にしたためて、それを会場でそのまま読み上げることにしました。
人気作品を次々生み出した超一流作家が直々にお書きになった洗練された文章は、それはもう「絶品」で、会場の人々は全員聞き入り、時には大爆笑となったのだそうです。
それ以来「スピーチの注文」は引きも切らず、そのたびに丸谷さんは宴席の主役への言葉を

文章に書き記し、読み上げるというスタイルを定着させました。

その後、そのスピーチ原稿はそのまま書籍化され、「挨拶はむづかしい」「挨拶はたいへんだ」「あいさつは一仕事」という大ベストセラー本になっています。三冊とも私が大好きな作品です。

「披露宴の友人代表のあいさつなど、人前のスピーチが苦手だ」という人はどうすれば良いのか?

その問いへの答えは、「書いて読んでしまえ」です。

乱暴ですか?