悩み事から自分を引き剥がす「自分実況中継」
朝日新聞に「朝活」で有名なコンサルタントの池田千恵さんが「自分実況中継の効用」を説いています。
「怒り、嫉妬、哀しみ、自己嫌悪」などネガティブな感情に囚われ、抜け出せない状況になったら、あえて、その感情を言語化して「実況してしまえ」というのです。
実はこの手法は、私が長らく学んでいた心理療法「解決志向ブリーフセラピー(ソリューション・フォーカスト・アプローチ)」に通ずるものがあります。
「おーっと、梶原が激しくムカついているようであります。いちゃもんを付けてきた小物上司に言い返せなかった、自らのふがいなさに、モヤモヤしたまま、スッキリしません。
おーっと、そうだ梶原!明日は大事な特番の収録があったんじゃないか??司会という大役に抜擢された君にとって、大事なのは小物上司にかかずり合うより、今は、意識を特番に持っていくこと!それを第一選択とすべきでは無いのかあ?!おーっと・・・・」
実に下手くそな実況まがいですが、実況もどきにすることで、自分を「客観視」すること、グズグズ悩む自分から「ネガティブマインドを引き剥がす手段」としてはなかなか優れている手法です。
ラジオ局にスポーツ実況枠で採用されたのに、スポーツアナになれなかった私は、本物の実況中継能力には遠くおよびませんが、自分実況の技は結構行けていると自負しています。
自分実況中継で「自分を客観視する」「自分にツッコミを入れる」「自分をネガティブの渦から引っ剥がす」この技法は「すぐ使え」「すぐ効く」という点で、まさに「ブリーフセラピー(着実に解決に向かわせる短期解決療法)的」だと言えます。
悩んだときはお試しください。

元文化放送アナウンサー。49歳で東京成徳大学大学院心理学研究科に進学し心理学修士号を取得。精神科クリニックに勤務し、シニア産業カウンセラーとしても活動。英語・北京語も堪能。アナウンサーとカウンセラー両方の経験を元に梶原メソッドを考案。オンライン話し方教室「ツタバナ」を始め、自ら塾長を務める。