あれから半世紀・・・

扇一平です。

私がアナウンサーを志したのは1964年に行われた東京オリンピックのラジオで開会式を実況した、NHKの故鈴木文彌(すずきぶんや)アナウンサーに憧れ、小学生の頃から聖火入場などを原稿に全てを起こし真似をしていたことからなんです。

梶原塾長が書かれていたのはテレビ実況の北出さん、鈴木さんはラジオの方です。

この実況は、高校、大学の応援部にいたときも早慶戦など神宮球場の大観衆の前で振り付きで披露して芸にしていました。

 

放送局のアナウンサー試験、NHKスタジオでは「特技は何ですか?」と聞かれたので、「鈴木文彌アナウンサーの大ファンで聖火入場など東京オリンピックの実況をすることです」と答えたところ「やってください」言われました。
私はいつでも対応できるようにポケットに聖火用の100円ライターを忍ばせておいたのです。

 

「見えた見えました白い煙が!!聖火最終ランナー坂井義則君が颯爽と入って参りました!!…」と、最後にライターを取り出し「ボッ、今点火されました…」と実況をするとガラスの向こうは大ウケで「よし、受かった」と思ったのでした。

しかし向こうからの一言が私を凍りつかせたのです。
  「扇くん、今ここにいる試験官はその鈴木文彌さんですよ!!

今思えば素晴らしい思い出です。
そのあと、文化放送が先に内定を出して下さったので入社したわけです。

 

あれから半世紀、色々と大変な中で開会式が行われた東京2020。

各国選手の皆さんのユニフォーム、民族衣装、そして連日の熱戦を見ていると、思い入れが強いので感動しっぱなしです。

 

今回は無観客ですが、毎日のようにテレビに映し出されるすべての胸を打つシーンには、ステイホームで選手たちを応援する多くの人々の姿が見えるようです。