第一弾と言うからには、この先第2弾、第3弾が待ち受けていると言うこと。
ブログネタに詰まった、と言うわけではありませんが、どうかお付き合いください。
問題です。
8月5日夜8時現在、ネット情報によれば、今回の東京五輪、我らがニッポンのメダル獲得数は世界第3位だと報じられています。
これを聞いた友人が「3位とは、主催国としてまあまあ、御の字じゃないか」と感想を述べました。
さて、この友人の「御の字」の「言い方」「使い方」は「正しいか?」「間違っているか?」どちらでしょう???
SE:「ブー!!間違っています!」
「え?? 御の字って、一応、まあまあ、そこそこ、頑張っていて、いいんじゃないの?じゃないの??」
私もちょっとそんな風に思ってしまいましたが、あらためて辞書を引けば「間違い!」なんですね。
―明鏡国語辞典―
「御の字」→大いにありがたいという意味。
十分ではないが、一応納得できるの意味で使うのは誤り!と「一応」とか「まあまあ」とか「そこそこ」など、「曖昧な意味」を否定しています。
他の辞書には別の答えがあるかと思い、チェックしてみるとこうありました。
―大辞泉―
「御の字」→非常に結構なこと。望んだことがかなって十分満足できること。最上のもの。
日本はメダル競争で「けっこう」「なかなか」「思った以上に」頑張ったとはいうものの「御の字」とまでは行かなかった、というわけです。
なお大辞泉には国語に関する世論調査で「70点取れれば御の字だ」を「大いにありがたい」か?「一応納得できる」のどちらの意味にとるかを日本国民に問うた結果が引用されています。
それによれば、平成30年度調査の回答では「大いにありがたい」を選択した人はわずか36%、「一応納得できる」を選択した人は約50%!との結果でした。
すなわち日本国民の大半は「御の字」を「一応、まあまあ、納得できる」と「間違った意味」で受け止めていて「嘆かわしい」と大辞泉は言っている(みたいだ・・・)。
まあどっちでも良いような気もするが、本来と違う「一応、まあまあ」と意味で使うと「言葉フェチ」が舌打ちをしながら「日本語勉強し直した方がいいんじゃないですかねえ・・」などと嫌味の1つも言われかねない、と言うわけです。
ということで「御の字」とは大いにありがたい!
主催国がメダル3位じゃ、御の字じゃない!もっと頑張れ!と、容赦ない声が聞こえてくる、かも知れません。
このシリーズ、時々出ますからご注意くださいね・・・・

元文化放送アナウンサー。49歳で東京成徳大学大学院心理学研究科に進学し心理学修士号を取得。精神科クリニックに勤務し、シニア産業カウンセラーとしても活動。英語・北京語も堪能。アナウンサーとカウンセラー両方の経験を元に梶原メソッドを考案。オンライン話し方教室「ツタバナ」を始め、自ら塾長を務める。