9月3日… 突然入ってきた一報。

◆永田町に激震

昼前に突然入ってきた「菅総理が総裁選、不出馬」の一報。私は東京・永田町の自民党本部でそれを知りました。きょうは来週行われるはずだった党役員人事など、自民党の動きを取材中でした。11:30から党本部で行われた臨時の役員会で菅総理が不出馬を表明したのです。

 

◆与党も野党も大荒れ

それからがカオス状態でした。党本部に4台しかないエレベーターは行ったりきたり。党の職員や報道陣は右往左往。菅政権の閣僚、総裁選の出馬を表明していた (するつもりの)候補者たち。次の政権を狙う野党幹部。いっぺんに動き出しました。文化放送の先輩記者と手分けして、あちこちで会見やぶら下がり取材に奔走しました。

・自民党本部から移動し、12:30国会内での立憲民主党・枝野代表会見

・自民党本部に戻って、正面玄関前で行われた甘利税調会長のぶら下がり (文字通り、記者たちがぶら下がって話を聞く形です)

・同じ場所にて総裁選出馬の可能性がある野田聖子幹事長代行のぶら下がり

・14時前から衆議院第二議員会館で行われた総裁選出馬の可能性がある石破茂元防衛大臣の会見

・15時過ぎまで内閣府で行われた政府のコロナ分科会後の尾身会長のぶら下がり会見

・17:20過ぎの内閣府で行われた総裁選出馬の可能性がある河野太郎行政改革担当大臣のぶら下がり会見

尾身会長の会見以外はすべて突発的だったので、中継車に送ってもらったり、自力で走ったりして駆けつけました。17時の全国ニュース、18時前までの関東ローカル報道情報番組に間に合わせるため、ポイントとなる20〜30秒を抜き出して、時には中継車から、時には自分のPC から音送りと目まぐるしい1日でした。

 

◆菅総理への逆風

改めて、昨日までは総裁選に意欲を示していた菅総理が、一転して「不出馬」。その心の中を推し量ることはできませんが、ジワジワと退任へと追い込まれていったように感じられる要因がいくつもあります。まずはなんといっても依然として収束が見通せないコロナ禍の中で、ワクチン接種が先進国に比べ圧倒的に進んでいないことや繰り返す緊急事態宣言による国民の不満の高まり。先日の横浜市長選では菅総理の地元で、しかも閣僚の一人だった小此木前国家公安委員長を推しての敗北。下げ止まらない支持率など与党内での求心力の低下が叫ばれていました。そして総裁選・衆議院選挙の前に異例の党役員人事を刷新しようとしていたこと。あらゆることが菅総理への逆風となっていったように思います。

 

◆注目を集める総裁選と衆議院選挙

菅総理が退任を表明したことで、9月29日の自民党総裁選、10月21日任期満了に伴う衆議院選挙が俄然注目を集めることになりました。コロナ禍という苦境の中、最大政党の自民党、そして国を導く新しいリーダーは誰なのか。お粗末なお家事情を露呈してしまった自民党に代わって再び政権奪還を狙う立憲民主党に追い風は吹くのか。一年で国のトップが変わってしまう日本は世界の中で協調性を保ちながらも存在をアピールすることができるのか。

報道記者として目が離せない展開になってきました。

※写真は、雨に霞む総理官邸。