奇跡の1枚に騙され続けた?採用側が考えた方法とは?
とにかく面接には進みたいと1枚の写真に賭けていた学生や指導していた私に衝撃を与えたのが、ある局が始めた「自己紹介をスマホの動画で送れ」という課題です。
就職試験もスマホ動画の時代…。
これが、「奇跡の1枚」に騙され続けた採用側が考えた方法だったのです。
参りました。
これでは「奇跡」の起こりようもありません。
動画ですので生きた表情が分かります。
そして、「声」です。
どんな場所で何を、どんな声で話すか、その人の、かなりのことが分かります。スマホの進歩が就職試験を変えたのです。
この方法が翌年から他局でも採用されたことは言うまでもありません。
スマホを使った自己PRも45秒とか時間制限はありますが、次第に「自由に」ということになりました。
すると、どう自分をプロデュースして見せるか、その人のセンスが問われます。
声がどれくらい出るのか、口の開き方、発音もよく分かりますし、「サ行が変だぞ」と思えば、繰り返し何回でも確認できます。
もう誤魔化しようがありません。
今は、こうした試験方法を知り、その対策が必要です。
昔のように履歴書1枚という時代ではないのです。
試験の時期も前倒しに…
さらに驚くのは、試験の時期の早さです。
ネットで各局の採用ページを開いてみてください。
何年の採用?と、分からないくらい早くなっています。
アナウンサーより後に行われるディレクターや記者などの一般職でもエントリーが2021年10月に締め切られています。
今の3年生を対象にした募集が去年の秋に終わっている。
そして、その次の募集要項が今年の3月から公開される。つまり、3年になるとすぐ、インターンシップの募集など就職情報を知らせます、と書いてあるのです。
私たちのように、4年生になって、さて就職をどうしようか、「放送局でも受けてみようか」などと悠長なことを言っていたのは、本当に前世紀のことになってしまいました。
今は準備なくして成功はありえません。
自己PRは放送業界だけでなく、どんな企業でも必要です。
伝わる話し方は出来ているのか、就活中の学生さんも、「ツタバナ」の「体験レッスン」を利用して確認してみられてはいかがでしょう。

ツタバナ講師。NHKでアナウンサーとして23年、フジテレビでキャスターとして9年。その後、早稲田大学で10年間教鞭を執る。人材育成・プレゼンテーション研究とプレゼンテーションパフォーマンスを得意分野とする。日本ソムリエ協会認定ワインエキスパート資格を持ち、ワインの造詣も深い。