アナウンサー試験「面接のコツ」梶原しげる直伝

皆さんこんにちは。
オンライン話し方教室「ツタバナ」塾長の梶原しげるです。

先日、とある番組のアンケートで、注目しているニュースキャスターについて聞かれました。
私は迷うことなく、1人の名前を選びました。

ホラン千秋さんです。

ニュースが聞き取りやすく、受け答えやちょっとしたコメントも良く、機転が働く方だとお見受けしました。
夕方の時間帯のニュース番組のキャスターの中で、ホラン千秋さんは図抜けて優れていると私は思っています。

そんなホラン千秋さんですが、驚くことに、民放キー局のアナウンサー試験を受けて、全滅していた過去をお持ちだそうです。
今の活躍ぶりを見ていると、TV局側にどれだけ見る目が無かったのか!というところかもしれません。

ただ、私も文化放送時代、採用の面接官をした経験を持っていますが、短い時間で1人1人の個性を見て、その将来性を想像するのは、なかなか難しいものです。

仮に私が学生時代のホラン千秋さんを面接していたとして、その将来性を見抜けたのか?
全ての民放キー局が見落としていた訳ですから、難しかったと思います。

さて、今回は、そんなアナウンサー試験の面接について、面接官の経験から、「面接のコツ」を書かせていただきます。

アナウンサー試験「面接のコツ」梶原しげる直伝

【目次】
1)実は面接官も楽しみにしている?
2)面接官はどこを見ているのか?
3)言葉癖には要注意
4)声の大きさもポイント
5)声の「感じ」を良くするコツ
6)身だしなみや表情も大切
7)まとめ

1)実は面接官も楽しみにしている?

まず、大前提ですが、実は面接官も、面接を楽しみにしています。
私自身、「どんな子が来るのかなぁ?」「磨けば光る子だろうか?」など、面接に来る学生さんたちに会えるのを、とても楽しみにしていました。

ただ、面接の時間は短いですから、その中で、できる限り、その学生さんの「良いところ」を見つけ出そう、と真剣に望んでいたことを覚えています。
これは私だけでなく、他のアナウンサーの方もそうでした。

ひょっとすると、局の将来を背負って立つようなエース級を見出すことができるかもしれません。
局の将来を左右するかもしれない…そんな大切な面接なのです。

その中で、私は特に、学生さんの「素の部分」がどうか?
自然な状態の表情(特に笑顔)はどんな感じか?

を見定めるようにしていました。

アナウンサー試験の面接はたいてい、受験者1人に対して面接官が3~4人といった形です。
しかも、面接官も真剣ですから、中には怖い顔をしている人もいます。

学生さんは物凄く緊張しますから、表情も硬くなります。
中には、緊張からか、態度が酷くぎこちなくなったり、怖い顔になったりする方もいます。

そんな時には、なるべく緊張をほぐすような話題を振るなど、助け舟を出すこともありました。
ふるい落とすのが目的では無くて、光る部分を見出すことが目的だからです。

ちなみに、中には全く緊張しない人もいて、それはそれで面白くないのですが…。

緊張しているけど、キラリと光るものを見せる…そんな瞬間を面接官は探しているものです。
ですから、皆さんも、自然な自分自身の良いところを見せるようにしてくださいね。

2)面接官はどこを見ているのか?

さて、まず最初に面接官が何を考えているかを書きましたが、アナウンサー試験の面接官は基本的に受験者の「良いところ」を見つけようとします。

特によく見るのは「笑顔」です。

面接という緊張する環境で、普段通りの自然な笑顔なんて出せる人はそうそういません。
そのような、極度の緊張状態の中で、どのような笑顔を見せるのか?

その笑顔は、番組などで何か突発的な事態や大きなトラブルに遭遇した時に見せる表情のはずです。

他の部分は色々と鍛えることができますが、こういった素の部分は、なかなか変わるものではありません。
だからこそ、緊張状態での笑顔を良く見るのです。

もちろん、「良いところ」だけを見ているのではありません。
短い時間で判断しなければなりませんので、面接官は「良いところ」を見つけつつ、同時に「ダメなところも見ています」。

ただ、積極的にマイナスを見つけるよりは、短い時間で「磨けば光る」部分を探す方が中心です。

また、「今年は○○○○○なアナウンサー候補」が欲しい、ということが事前に決まっている場合があります。

例えば、「女性のスポーツアナウンサーが手薄になりそうなので、育てていきたい」といった局の方針が事前に出ている場合、やはり、スポーツに強い(詳しい)に女性の方が、評価が高くなる傾向があります。
こればかりは、その時の局のアナウンサーの構成によりますので、受験者がどうこうできる問題ではありませんが…。

ちなみに、私が文化放送の面接を受けた時は、まさにそのスポーツアナウンサーの試験でした。
その時は、役員面接の前に、神宮球場で野球の実況中継の試験がありました。

実は若い時の私は、野球に全く興味が無く、大学のアナウンス研究会に所属していた訳でもありませんので、そもそもが野球の実況中継のセオリーを全く知らない状態でした。
これでは試験に受かるハズもないのですが、順番が8番目と決まったことが幸いしました。

前の人たちがやる内容を必死に聴いて、なるほど野球の実況中継とはこうやるのか?と実践したのです。
さすがに7回も練習しておけば、何とかできるものです。

その後の役員面接で、この実況中継のことが話題になりました。
どうも、スポーツアナウンサーの試験なのに、野球のことを全く知らない…それでも何とか実況中継をやったというのが、面白かったようです。
それで文化放送に採用されました。

3)言葉癖には要注意

先ほど、「良いところ」「磨けば光るところ」を積極的に見つける、と書きましたが、それでも、どうしようもなく気になることがあります。
それが、「言葉癖」です。

話す時に、「えっと」「ていうか」「まあその」「いわゆる」「あー」といった言葉を無意識に繰り返してしまう方がいますが、それが「言葉癖」。
発音やイントネーションを間違って覚えてしまっている…といったものも含まれます。

アナウンサーという職業柄、面接官は「話すこと」に人一倍敏感になります。
自分自身は人と話している時に、言葉癖を出さないように常に気を付けていますから、相手の言葉癖についても、かなり気になります。

「えっと」のような言葉癖が良くない…というのは誰しもわかりますし、面接の際に気を付けると思います。
しかし、イントネーションを間違えて覚えているといったものなど、案外、自分自身では気が付かない言葉癖というものが必ずあります。

言葉癖は、一度、気になりだすと、最後まで気になってしまうものです。
どんなに感じの良い方、魅力的な方でも、だからこそ、「言葉癖」は余計に目立ち、ものすごくマイナスな評価になってしまうことがあります。

これを防ぐためには、自分の話し方を第三者に聞いてもらったり、自分の会話を録音して、聞き返したりすることが重要です。

自分の録音を聞くことはかなりツライ体験ですが、やっておいて損はありません。
そして、自分にはどのような言葉癖があるのか?をしっかり確認した上で、対策することをお勧めします。

4)声の大きさもポイント

声の大きさについても適量というものがあります。

例えば、大きな体育館で大勢に聞かせるために話す声の大きさと、狭い部屋・近い距離で1人相手に話す時の声の大きさでは、全く異なることは言うまでもありません。
その場に適した声の大きさというのはあって、アナウンサーはそれを即座に判断して、適切な音量にする必要があります。

面接会場でも同じで、面接会場の広さや面接官との距離、その場の人数などに応じて、適切な音量で喋ることが重要です。
声が小さくて聞き取りづらい場合や、逆に大きすぎる場合など、あまり良い印象にはなりません。

優秀な方は、第一声、つまり自分の名前を言った瞬間に、適度な声の大きさを瞬時に判断し調整します。
こういう方は、一目置かれます。

ただ、その場に合わせた音量で話すことは、案外、難しいものです。
面接ではなかなか難しいですが、事前に会場がわかるのであれば、会場で実際に声を出して、どのくらいの大きさが適量かを調べておくぐらいの準備が必要です。

面接会場に入った際に、例えば、面接から「ドアを閉めてください」などの声かけがあれば、やや大き目な声で返事して、会場での音の響き具合などを試すといったテクニックもあります。
合同面接など受験生が複数人いる場合、先に声を出して、的確な音量をつかめれば有利になりますよ。

5)声の「感じ」を良くするコツ

声の大きさ、その場にあった適度な大きさも大切ですが、声の持つ雰囲気、声の「感じ」も重要です。

アナウンサー試験では、普段の話し方を見るため、なるべく和やかな感じで、歓談している雰囲気になる場合が多いものです。
しかし、面接という環境では、なかなか普段通りの感じになれず、周りの空気に馴染めない方も多くいます。
緊張で声の感じが悪くなってはもったいないところ。

そんな場合は、一番楽しいことをイメージして話すことがお勧めです。
面接では長所だけでなく、短所、弱点についても聞かれますが、これもなるべくポジティブに答えるようにするのが良いでしょう。

また、面接会場や面接官の醸し出す雰囲気に、なかなか馴染めない、乗っていけないといった場合は、面接官や同時に受験している他のメンバーに興味を持つのもオススメです。

「この人、こんなクセがあるのか」
「この人面白い喋り方をするな」

とか、目の前の人に興味を持ち、観察するのです。
そうすると、自然に緊張がやわらぎ、場の雰囲気にあった話し方ができます。

話すということでは、雰囲気も大切ですが、面接官が複数人の場合、まんべんなく、話しかけることも大切です。
人間、話しやすい人とずっと話したくなるものですが、それを押さえてバランス良く話すことができると、面接官の印象も良くなります。

6)身だしなみや表情も大切

最後に、これはアナウンサーだけでなく、どのような職業の面接でも同じだと思いますが、身だしなみや表情もとても大切です。
どんなに優秀な方でも、見た瞬間に悪印象を持たれてしまっては、なかなか面接は上手くいきません。

逆に、最初から好印象の方もいます。
面接の時間は短いですから、好印象から入っていけると有利に働きます。

その点では、身だしなみに「清潔感」は必要不可欠です。
アナウンス技術がどれほど秀でていても、不潔な感じがする方を採用するのは難しいでしょう。

また、話す時の表情は「楽しそう」に見える方が印象が良くなります。
最初は緊張で硬い表情であっても、話していくほどにリラックスして、楽しそうな表情で話しだす…面接官はそんな方に惹かれるものです。

7)まとめ

今回は、アナウンサー試験の「面接のコツ」について書かせていただきました。
コツというほどのこともないですが、面接官をやっていた立場から、気を付けるべきポイントを書かせていただきました。

特に自分で気が付きづらいのが「言葉癖」や声の大きさです。
本文でも述べましたが、ぜひ、自分の話しているところを録音して、聞いてみましょう。

自分の声を聴くのはなかなか苦痛な体験ですが、色々な気づきがあるはずなのでお勧めです。

 

オンライン会議での話し方やコミュニケーションにお悩みの方はこちらもどうぞ
⇒ 梶原しげる直伝!Zoom 会議の話し方・コミュニケーション術
また、ツタバナ無料体験レッスンはこちらからどうぞ。
⇒ ツタバナ無料体験レッスン