皆さんこんにちは。
オンライン話し方教室「ツタバナ」塾長の梶原しげるです。
先日、無料体験レッスンを受けた方から、会社の朝礼スピーチのコツを質問されました。
会社の朝礼スピーチは、発声や滑舌、話し方も重要ですが、もっとも大切なのはネタ選びです。
話し方教室のブログですが、今回は話し方というよりは、ネタの考え方についてまとめてみました。
スピーチはネタ次第?|会社の朝礼スピーチのコツ
【目次】
1)全ては話すネタ次第
2)それは共感できる話なのか?
3)常にネタを準備することが大切
4)人が話している時に何をするか?
5)まとめ
1)全ては話すネタ次第
会社のお偉い人が、偉そうなことを次々に話す…そんな朝礼って、本当に面白くないですよね。
なぜ面白くないのか?
それは、話す側に、相手を楽しませよう、という意識が全く無いからではないでしょうか?
スピーチを聞いた方が、少しでも面白いと思ってくれるだろうか?
スピーチを聞く方に対して、少しでも役立つ話になっているだろうか?
このような意識を、スピーチをする側が少しでも持っていれば、スピーチに何らかの工夫をするはずです。
であれば、全く面白くない…ということにはならないものです。
スピーチの機会が多い、ある程度の役職の方になると、新聞の切り抜きなどをスクラップしている方がいます。
いつスピーチを振られても良いように、常にアンテナを張り巡らせ、皆が関心を持つ、面白いと思ってもらえるネタを、普段から探しているのです。
スピーチのネタと言いますと、よく、スピーチのネタ集みたいないものを利用される方ももいらっしゃいます。
朝日新聞の天声人語を頭から読むとか、スピーチ集を読むとか、何らかのひな形を使うとか、色々あります。
相手を楽しませる気が全くないスピーチよりは、まだマシですが、1つも自分らしさ、個性を出さないままスピーチを終えるのは良くありません。
そもそも、「ひな形」的なものは、元々、誰でも使えるように書かれています。
誰でも使える…ということは、逆に個性が無い…ということです。
そこには、その人らしさはありません。
偉い人のつまらないご高説もそうですが、個性の感じられない話も面白くありません。
会社の朝礼に限らず、スピーチの一番のコツは、話し方どうこう以前に「ネタ」にあると言えます。
聞き手に面白いと思ってらえるネタで、なおかつ、そこに自分らしさが加わっていると、さらに良いでしょう。
2)それは共感できる話なのか?
ネタ選びのポイントとして、もう1つ大切なことは、
そのネタに本気で共感できるのか?
ということです。
見た話、聞いた話を自分事として話すか、あるいは、それらの要旨を入口に自分の経験を述べる。
自分自身が共感できていない話は、聞き手の心を打つくことはありません。
- その話にはどういう背景があり、
- どうしてその一言になったのか?
- そして、その一言に心を揺さぶられたのはなぜか?
単にネタを話すのでなく、それを自分の話として話すことが重要です。
ニュースや新聞の情報を集めるにしても、単に集めるだけでなく、必ず「自分の視点」を持つようにする。
そうすれば、自然に自分の話として話せるようになるでしょう。
3)常にネタを準備することが大切
私がまだ文化放送の若手アナウンサーだった時、ジャニーズ事務所の「少年隊」のパーティーに呼ばれたことがあります。
「少年隊」といえば、当時、人気絶頂のころで、なぜ私が呼ばれたのか?未だにわからないのですが、そのパーティーの時も、話す内容を用意して行ったことを覚えています。
何かの手違いで一言お願いします…となった時に何も話せないと大変だからです。
まさか、人気絶頂の「少年隊」のパーティーで、駆け出しアナウンサーが指名されて話すことは、万に一つもないでしょう。
しかし、全く予想外の、何かの手違いでパーティに呼ばれて、話す内容も無いだろう…と思われる人がいきなり指名される…といったことが芸能界では、ワリとあります。
芸能界でなくても、会社の懇親会やパーティーなどで、偉い方が気まぐれに「この中で一番の新人は?」と言い出し、その結果、「じゃ、ちょっと前に出て何か話してみよう」となることは、たまに見かける光景ですよね。
指名する側も期待しているわけでもありませんから、たいした話ができなくても問題ないでしょう。
ただ、その時に備えて、常にネタを用意しておくことは、実は自分自身の練習になります。
私自身も、当然のことながら「少年隊」のパーティーに用意していったネタは無駄になりました。
ですが、こうやってネタを作っておくことは、後で考えると一番の修行になった気がします。
ちなみに、今でもそうですが、私はパーティーやイベントに行く、一週間前ぐらいからネタを考え始めます。
ニュースや情報番組なども良く見ておきます。
当日は当日で、その場に集まるメンバーや、会場の飾りつけ、提供される食べ物などをよくよく観察し、準備したネタとの組み合わせを考えたり、どこをどういじって良いのか?頭をフル回転させていました。
それこそ、自分自身が芸能レポーターになったぐたいの気持ちでした。
思えば、アナウンサーの先輩たちも、みな、そういう訓練を自分でしているものです。
これは、パーティーだけに限らず、会議や朝礼などにも通じる話だと思います。
4)人が話している時に何をするか?
朝礼では、他の人が話している時も大切です。
他の人のスピーチは、常に自分のネタにできる可能性があります。
今、目の前で話している人の話が面白かったら、なぜ、面白いと感じたのか分析することで、自分のスピーチの参考にできます。
面白い言い回しやフレーズがあれば、それを覚えておけば、次に自分のスピーチにも取り入れることができます。
また、スピーチが自分の番になった時に、面白かったスピーチに乗っかることもできます。
「先ほど、○○さんが○○○○○という話をされましたが、とっても良かったですね。実際、私も昔…」
といった具合に、スピーチを広げることができます。
面白いスピーチをするためには、ネタ集めもそうですが、あらゆることに関心を持ち、アンテナを張り巡らせることが重要です。
5)まとめ
今回は、会社の朝礼スピーチの話から、スピーチのコツについて書かせていただきました。
話し方のテクニックや、スピーチの構成といったことも確かに重要なのですが、一番はスピーチを聞いてもらう方々に面白いと思ってもらえるような、「ネタ」選びにあると思います。
人を楽しませようと真剣に考えれば、ネタ選びもそうですか、周りを良く観察することにもつながります。
そして、そこに自分の視点を必ず入れること。
そうするだけで、ぐっとスピーチは良くなると思います。
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元文化放送アナウンサー。49歳で東京成徳大学大学院心理学研究科に進学し心理学修士号を取得。精神科クリニックに勤務し、シニア産業カウンセラーとしても活動。英語・北京語も堪能。アナウンサーとカウンセラー両方の経験を元に梶原メソッドを考案。オンライン話し方教室「ツタバナ」を始め、自ら塾長を務める。