皆さんこんにちは
オンライン話し方教室「ツタバナ」塾長の梶原しげるです。
「緊張」をテーマにブログを書いてきましたが、4回目の今回は、「初めて会う人」と会話する場合を考えたいと思います。
緊張を緩和する方法は、以前のブログ
→ 「人と話す時に緊張してしまう」緊張を上手に緩和する方法?
で、3つの基本的な方法をご紹介しました。
もちろん、「初めて会う人」と話す時の「緊張」も、すでにご紹介した「お腹で呼吸」「ルーティンを決める」「客観視」の3つの方法が有効です。
ここでは、3つの方法以外のヒントを書かせていただきます。
初めての人と緊張する!緊張を和らげる方法|人見知り編
【目次】
1)初めて会う人と緊張して話せない
2)大切な最初の出会い:リレーションづくり
3)「自然な態度」を練習する
4)どうでも良い質問で関係性を作る
5)梶原流・最初の質問
6)まとめ:誰でも緊張するもの
1)初めて会う人と緊張して話せない
オンライン話し方教室「ツタバナ」でレッスンしていると、生徒さんの中にも、「人見知り」だと自覚されている方が多くおられます。
「初めて会う人」の前だと、極度の緊張状態になってしまい、なかなか言葉を発することができない。
打ち解けるまでに、そうとう苦労して、結局、たいした話もできないまま、その人と別れることになってしまう…。
そのような残念な結果になることも多いでしょう。
こうした「緊張」も、以前のブログに書きました、緊張を緩和する3つの方法が有効です。
(→ 「人と話す時に緊張してしまう」緊張を上手に緩和する方法)
ただ、お見合いや合コン、なんらかの会合など、事前に「初めて会う」ことがわかっていれば、あらかじめ「緊張を緩和する方法」を実践しておけます。
しかし、偶然、密室で2人きりになってしまった…そのような時など、いきなりお腹を膨らませたり、へこませたりは、なかなかできないですよね。
これはなかなか困った問題です。
2)大切な最初の出会い:リレーションづくり
カウンセリングの世界では、「リレーションづくり」と言って、最初の出会い頭の会話をとても大切にしています。
この最初の会話が上手くいけば、その後の関係づくりはスムーズに行きます。
しかし、ボタンを1つ掛け違えると、なかなか打ち解けることができません。
そもそも、初対面の人と「打ち解ける」のは、とても難しいことです。
ある意味、コミュニケーションのプロといえるカウンセラーであっても、それは変わりません。
ですから、この最初の会話から、
相手との良好な関係性をどうやって作っていくのか?
に神経を使います。
つまり、「人見知り」かどうかにかかわらず、「初めて会う人」との最初の会話は難しいものですし、誰でも「緊張」するものなのです。
そして、それは話す相手も同じです。
相手もあなたの初めての会話に「緊張」しています。
3)「自然な態度」を練習する
人は「緊張」していると、怒っているように見える場合があります。
自分自身で気が付かない間に、怒っているような、怖い表情している可能性があるのです。
逆に、話す相手が怖い表情をしていても、それは「緊張」によるものの可能性が考えられます。
そのままの状態で話し出すと、なかなか良好な関係は築けません。
本来、お互いに良好な関係を築きたいと考えているのに、実際は、ものすごく非友好的な態度で接してしまう…そんなことになりかねないでしょう。
そこで、お勧めの方法は、ウソでも良いので、「自然な態度」に見えるようすることです。
内心、極度に緊張していたとしても、顔つきや雰囲気、態度などに、それを出さない。
顔には微笑みを浮かべ、穏やかな風に見せる…。
これにはある程度、練習が必要ですが、相手に「自然な態度」と見せることで、相手の緊張も和らぎます。
すると、相手のこわばった表情も、徐々に穏やかになっていくハズです。
逆に、自分の緊張が表に出ると、相手にも伝染し、身構えてしまいます。
そうなると、なかなか効果的な最初の話もできません。
内心は緊張していても、それを表に出さないことで、良好な関係に近づけるのです。
実際、やってみるとかなり難しいのですが、その第一歩として、まずは、緊張している時の自分の表情をチェックしておきましょう。
「緊張すると怒ったように見える」
「相手に無関心に見える」
「能面みたいに無表情になる」
そういった自分の特徴を理解し、内面で緊張していても、その表情が表に出ないように訓練します。
自然な笑顔を浮かべる練習をしても良いでしょう。
笑顔で、自分のこわばった表情をごまかす作戦です。
4)どうでも良い質問で関係性を作る
さて、何とか内面の緊張を表に見せない「自然な態度」に成功したとします。
次に重要なポイントになるのが、
最初にどのような話をするべきなのか?
です。
相手の質問を待つのも良いかもしれませんが、とにかく、自分から声を出して話しかけるように心がけましょう。
声を出し、声帯を動かすことも、緊張の緩和に役立ちます。
「人見知り」する方にとって、それこそ最もハードルが高いことかもしれません。
しかし、この最初の会話、それほど難しく考える必要はありません。
最初の話は、どうでも良い内容の質問でスタートして良いのです。
というよりも、「どうでも良い内容の質問」で始める方がお勧めです。
それこそ内容は、天気だとか、気温だとか、本当にそんなもので構いません。
重要なことは、相手が簡単に肯定あるいは否定できる内容(はい/いいえで答えられる内容)の質問することです。
自分「今日は良く晴れましたね」
相手「そうですね」
自分「先週だったら凄い雨だったので、良かったですよね」
相手「確かに、先週は…」
と、会話を続けることができます。
相手との良好な関係を作るためには、話の内容よりも、まずは言葉のキャッチボールをすることが重要です。
どうでも良い内容でも、会話を繰り返すことで、お互いの緊張は徐々に緩和し、打ち解けていきます。
逆に、これが、簡単に答えられないような質問だった場合、そこで話が止まってしまいます。
そのまま、お互いに気まずい空気になって、先が続きません。
この最初の質問は、相手が思わず反応したくなるような内容であればベストです。
また、逆にちょっと反発したくなるようなものにすると、それでも会話が続いていきます。
いずれにしても、どのような内容でも良いので会話を続けることがポイントです。
5)梶原流・最初の質問
長年、色々な方とお話する機会がありますが、そんな私も初対面の方と話す時は緊張します。
そんな私の「最初の質問」について書かせていただきます。
相手と、会話のキャッチボールを続けるための質問ですが、こういう方法もあるのか、と参考にしていただければ、と思います。
私の場合、仕事で地方に行くことが多く、地元の方と話す機会が多くなります。
その際に、最初の会話は、だいたい、(私の住んでいる)東京を下げて、その地方を上げるような質問からスタートするようにしています。
「もう、東京はゴミゴミして住みずらいですが、こちらは空気も澄んでいて、のびのびできますね」
「こちらにお住まいの皆さんは、みんなニコニコしていて気持ちが良いですね…東京はどうも皆さん怖い顔で…」
こんな感じで質問すると、たいていの方は、「そんなことはないですよ…」と返してきます。
肯定でも否定でも良いので答えが返って来れば、それに合わせて会話を続けることができます。
「そんなことはないですよ」
「いえいえ、そんな謙遜されることはありません。ここは…」
と話を続けることができわけです。
また、私は、初対面の方と話す時に、話す相手や、その場所について、よくよく観察するようにしています。
相手の表情であったり、服装であったり、その場の雰囲気であったり、そこから質問のネタを考えるのです。
相手は絶対に知っているもので、できれば私は知らないものについて質問にすると、そこから相手が色々と教えてくれて、自然に話が弾みます。
例えば、相手がその土地のゆるキャラのバッジをつけていれば、
「そのキャラ、カワイイですね、何ていうキャラなんですか?」
できたばかりの公会堂のイベントに呼ばれた時には、
「この公会堂は木材がたくさん使われていますね…」
といった具合です。
それが、相手が自慢のモノやコトであれば、それがキッカケになって会話が実にスムーズに続いていきます。
6)まとめ:誰でも緊張するもの
「人見知り」かどうかにかかわらず、初対面の人との会話は、誰もが緊張するものです。
特に、これから、その相手と良好な関係を築きたい場合、余計に緊張します。
「緊張を緩和する」3つの方法も効果的ですが、まずは、緊張していても、相手にそうは見えないように練習しておくことが大切です。
そして、最初の会話。
相手が、「はい」か「いいえ」で単純に答えられる質問をすることで、会話が途切れず、言葉のキャッチボールにすることができます。
また、私が実際に行っている初対面の方に対する質問や、質問を探すために、相手やその場所をよく観察する…という話をご紹介しました。
改めて整理してみますと、そうした相手や場所を観察する行為も、「緊張を和らげる」効果を持っている可能性に気が付きました。
観察し、質問を考えることで、自分自身を冷静にさせ、緊張から意識をそらす役割を果たしているのかもしれません。
「緊張」で、なかなか初対面の人と上手にコミュニケーションできない…そのような方は、ぜひ試してみてくださいね。
■ 「緊張を和らげる方法」関連のブログ記事はこちら
→ 「人と話す時に緊張してしまう」緊張を上手に緩和する方法
→ 大勢の前で話すと緊張する!緊張を和らげる方法|講演会・スピーチ編
→ 営業やプレゼンで緊張してしまう!緊張を武器にする考え方
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元文化放送アナウンサー。49歳で東京成徳大学大学院心理学研究科に進学し心理学修士号を取得。精神科クリニックに勤務し、シニア産業カウンセラーとしても活動。英語・北京語も堪能。アナウンサーとカウンセラー両方の経験を元に梶原メソッドを考案。オンライン話し方教室「ツタバナ」を始め、自ら塾長を務める。